発心門王子から熊野本宮大社を目指す

バスで到着!スタート地点の発心門王子へ

 

道の世界遺産、憧れの熊野古道!蘇りの道と言われる熊野古道な中辺路(なかへち)というルートの中でも、発心門王子(ほっしんもんおうじ)から熊野本宮大社を歩かれる人は多いのではないでしょうか。

「熊野古道って憧れるけど、歩いたら長いんでしょ?私体力がないから・・・」なんて考えている方も多いはず。

発心門王子から本宮大社はそんな方でもチャレンジできる人気のコース。発心門王子へは路線バスで行くこともでき、そこから約2時間半のウォーキングで本宮大社を目指せるのです。緑のきれいな古道を歩き、谷間に大斎原(おおゆのはら)の大鳥居が見えたときの感動と自分の足で本宮大社に到着するという喜びが味わえるハイライトコース・・・あなたも挑戦できますよ!

Hosshinmon

まず大阪から約2時間半のJR紀伊田辺駅からは路線バスにて約95分で本宮大社に到着。そこからさらにバスに15分ほど乗ると発心門王子という小さな社に到着します。バスは一度本宮大社を経由して発心門王子に行くことになりますが、つまり発心門王子までバスで行ってそこから本宮大社に向かって歩いて戻るという行程で、昔の参拝者のように発心門王子から本宮大社到着の感動を味わえるのです。2時間半ほどのウォーキングですが、足元は運動靴以上で行きましょう。道が整備されているとはいえ、やはり山の中のトレイル。雨が降れば滑るし、木の根や石ころ、多少の上り下りはあります。発心門が神域への入口なのでバスを降りる頃にはしっかり心の準備をしておいてくださいね。

発心門王子は、熊野権現の子神を祀る社である「熊野九十九王子」の中でも格式の高い「五体王子」の一つ。「発心」とは、山岳信仰における四門(発心・修行・等覚・妙覚の4つの門)修行に由来し、”仏道に入る。悟りを得ようと心を起こす。”ことを意味しています。さあここから意を決して、聖域へと入っていきます。

 

よみがえりの聖地を歩く

 

歩き始めて30分ほどで水呑(みずのみ)王子に到着します。かつては小学校分校の敷地であったところに「水呑王子」と刻まれた緑泥片岩の碑が立っています。熊野詣が廃れるとともに、江戸時代にはこの王子も廃絶し、跡地のみとなりましたが、王子跡を後世に伝えるために1723年に紀州藩主徳川宗直が緑泥片岩の碑を寄進したそうです。ここにはバイオトイレがあるので軽く一休み。

 

ここからは未舗装の道に入り「蘇生の森」熊野古道を体感しながら歩きます。古来より日本では、山は神や祖先の霊が宿る神聖な場所である、と考えられており、中でも深い山と森に包まれた熊野は神々が宿る霊場とされてきました。訪れた者は心が甦り、新たな気持ちになると言われます。「よみがえりの聖地」と言われる所以です。

 

さて緑豊かな古道を歩いて気持ちもリフレッシュされてきた頃、水呑王子から30分ほどで到着するのが伏拝(ふしおがみ)王子。伏拝とはその字の通り、伏して拝むという意味です。古道を歩いてきた巡礼者たちが、初めて熊野本宮大社を目にする場所で、感激しここから伏して拝んだと伝えられています。現在も山の間からの絶景の中に、かつて熊野本宮大社のあった場所「大斎原(おおゆのはら)」を臨むことができます。蘇生の森の中を歩き、心があらわれた所に目にする熊野本宮大社!本当に感動して拝みたくなります。ちょうど中間地点くらいでゴールが見えるので大変な励みにもなります!そこからさらに1時間で、熊野本宮大社に参拝する前に祓い清める場所だったという祓殿(はらいど)王子に到着。ここまでできたら本宮大社はもうすぐそこです。

 

熊野本宮大社まで歩くプランのヒント

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発心門王子から出発し、蘇生の森を歩き、かつての参拝者と同じく未舗装の道を踏みしめ、自分の足で熊野本宮大社に到着しました!何とも神聖な引き締まった空気が流れています。参拝は、正式には熊野本宮大社は本社→産田社→大斎原の順番でまわります。参拝だけでしたら60~90分くらい見ておくとよいでしょう。

 

紀伊田辺から熊野本宮に向かう中辺路、田辺から海岸線沿いに那智・新宮へ向かう大辺路(おおへち)、高野山から熊野本宮へ向かう小辺路(こへち)の他、三重県を歩く伊勢路、奈良県吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する修験道、大峯奥駈道、そして紀伊路と、様々な地域からの人々の集うのが熊野本宮大社でした。

さて、紀伊田辺駅からここまでの所要時間は約5-6時間。朝10:15紀伊田辺駅発のバスを出発して古道を歩いたとしても、コースの時間通りいけば16時くらいには参拝まで終われる感じでしょうか紀伊田辺駅をバスで出発し発心門王子から伏拝王子を経て熊野本宮大社へと古道を歩きます。

 

実際には弁当タイムや休憩時間を含むとあと1時間くらいかかりますが、それでも17時に終わる計算ですね。結構、身近に感じてきませんか?これなら行ける気がしませんか?!

 

ちなみに、本宮大社からバス20分で熊野詣での湯垢離場(ゆごりば)として栄えた日本最古の湯と言われる、湯の峰という温泉地に行くことができます。巡礼者が旅の疲れを癒したとされる由緒ある秘湯ですので、ここもぜひセットで立ち寄っていただきたい!入浴だけできる公衆浴場もありますが、1泊できれば温泉宿に泊まってゆっくりするのがおすすめです。翌朝、浄化されて生まれ変わった気分で帰路につきましょう!

Yunomine

蘇りの聖地、熊野古道への再生の旅。日常の疲れからのリフレッシュ、何か新しいことを始める前の気持ちの入れ替え・・・などなど。旅の目的は様々ですが、思い切って踏み出してみましょう!ほんの1日(または1泊)の経験ですが、きっと何か新たな発見がありますよ。